逗子・敷地斜面崩落 13年の分割払いで合意へ 応急工事費約3750万円 管理組合が負担 本復旧工事費は市側が 12/10 市議会で審議・可決

投稿日:2020年12月27日 作成者:福井英樹 (781 ヒット)

神奈川県逗子市の分譲マンション(築16年、38戸)敷地の斜面崩落事故で、逗子市議会は12月10日の第4回定例会本会議で斜面の応急工事・本復旧工事の費用負担について管理組合と合意書を締結する議案と本復旧工事費を盛り込んだ2020年度補正予算案などをそれぞれ可決した。合意書案によれば、応急工事費用は管理組合側が負担する。

同市が11月20日に公表した合意書案では、応急工事費用約3750万円を管理組合が2021年3月~33年3月の13年にわたり分割で市に支払う。支払いを怠った場合は年3%の遅延損害金を課すが、本復旧工事費用は市が負担する。

市防災安全課によれば、管理組合は11月15日の総会で合意書案について「合意を得たといっている」。最短で12月中に合意書締結を考えている。

市はこれまで本復旧工事費も「第一義的には原因者負担」としていた。

費用負担を決めた理由については管理組合との協議から「負担先が全て住民にいけば、片側通行の市道の状態が長期間続くことが推測された」とし、国の緊急自然災害防止対策事業債を活用して「市の事業として負担した方が総事業費を圧縮するためにも最善だと判断した」と説明する。

市都市整備課によれば、補正予算に計上した設計時点の本復旧工事費は約5264万円。のり枠を設置した上で138本の鉄筋を地中へ挿入し補強する。斜面下の石積みの上には長さ50メートルの転落防止柵も設置する。

防災安全課では、最終的に市の負担額は1500~1600万円程度とみている。同事業債を使うための国の条件が、設置したのり枠や柵など「構造物は市が所有・管理しなければならない」(同課)ため、こうした点も管理組合に承諾を得たとしている。

本会議では、合意書案は賛成多数、補正予算案は全員一致でそれぞれ可決された。採決に先立ち、各議案の付託を受けた総務常任委員会での審議の概要を同委員会の菊池俊一委員長(自民)が報告した。

菊池委員長は、工事費の負担理由などの指摘があり、市は同事業債が活用できるほか、尊い命が失われたことや市道の早期復旧が市民の利便性向上になる等を勘案し「費用負担は致し方ないと考えた。今回の対応は例外的な措置との答弁があった」と述べた。

13年に及ぶ分割支払いの期間中に区分所有者が入れ替わった場合を想定し返済が確実に行われるよう個々と締結が必要だとする指摘に対して、市は建物が存続する以上管理組合があり「(返済が行われず裁判を想定した場合の)相手方になるし、管理費や修繕積立金は管理組合の財産で、差し押さえが出来ると考えている」との答弁があったと報告。

担保がない返済計画などを踏まえ「リスクの軽減が必要と考え、反対するとの意見があった」と述べた。一方、「遺族への賠償や、また早期解決を図る必要性は理解できる。締結に当たり確実な返済が保証されるような対応を求め賛成するとの意見があった」とした。

報告後、賛成の立場から岩室年治市議(共産)が討論。同市議は組合と再交渉になった場合「最悪を想定すれば和解の選択肢はなくなり、訴訟へと進み数年にわたる可能性がある」などと指摘した。

以上、マンション管理新聞第1157号(2020年12月15・25日合併号)より。

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