およそ199戸・58件が届け出 最多は新宿区 民泊許容マンション 東京23区対象に調査 27件は複数住戸で実施

投稿日:2018年10月14日 作成者:福井英樹 (95 ヒット)

 6月15日に住宅宿泊事業法が施行され、4ヶ月が経過しようとしている。同法に基づき住宅宿泊事業(民泊)を実施する場合、都道府県や政令都市・特別区など自治体への届け出が必要で、届け出た情報は国の定めたガイドラインでは、公開が望ましいとされている。東京23区を対象に、分譲マンションで民泊がどの程度実施されているか調べてみた。
東京都23区がそれぞれ公表している、事業者の届け出情報を確認した結果、民泊が実施されている分譲マンションと考えられる物件はおよそ58件・199戸。板橋区は物件名と正確な住所を公表していないため、分譲マンションが含まれているかどうかは不明。
 板橋区を除く22区のデーターから抽出した58件のうち、27件は複数の住戸から届け出があった。
 22区で、最も民泊を実施している分譲マンションが多いのは新宿区で16件。渋谷区が11件で続いている。10件を超えているのは、この2件だけだった。千代田・中央・江東・太田・北・葛飾・足立・杉並・練馬の9区は、分譲マンションと考えられる物件の届け出はなかった。
 大田区は国家戦略特別区域法に基づく民泊(特区民泊)を実施し、特区民泊施設に分譲マンションも存在しているが、今回の調査では特区民泊施設は集計対象から除外した。
 複数住戸の届け出があるケースで、最も多かったのは墨田区の投資型物件。今年竣工した新築マンションで、総戸数の9割を超える22戸の届け出があった。ほぼ民泊を目的に企画された物件だと考えてよさそうだ。
 全22戸中19戸の届け出があった新宿区の物件も2016年竣工と、墨田区の物件同様築浅の投資型だった。
 10戸以上の届け出があったのは6件で、このうち5件は築4年以下で締められていた。
 築年を10年単位で区切ると、最も多かったのは「31~40年」の24件。全体の4割以上を占めた。「0~10年」が15件で続く。「41~50年」10件、「11~20年」6件、「21~30年」3件となった。築50年を超える物件はなかった。
 物件情報などによると、民泊の届け出があったマンション全体の専有面積は、確認できた56件中、最大でも40平方メートル以下のものが23件。50平方メートル以上は20件だった。
 民泊の形態は不明だが、「家主居住型」のみを認めている、と思われるマンションが1件確認できた。
以上、マンション管理新聞第1084号より抜粋。

 2018年6月15日に施行された住宅宿泊事業法は、当該3カ月前から準備行為として、住宅宿泊事業や管理業、仲介業の受付がなされましたが、関係者が事前に予測していたよりも、大きく下回る届け出件数や登録の件数となりました。
 有名な民泊仲介サイトのAirbnbの民泊登録件数は62000件ありましたが、当該法の施行前に行われた未届け物件の一斉の削除後は、14000件となりました。
 要因としては、行政での処理が遅延している、正式な旅館業の許可取得を試みている等の点を除いても、大抵が法律や条例の必要条件や規制のハードルが高く感じられている点と、営業日数上限に対して消防設備や建築関係のコストで採算が読みづらい点にあることが推測されます。
 住宅宿泊事業法の届け出では、営業しようとする建物に、生活の本拠地としている区分所有者等がいる分譲マンションでは、管理組合で定める管理規約に「住宅宿泊事業を営むことを禁止する旨の定めがない」ことを証明しなければなりません。
 この場合に、管理規約や細則に住宅宿泊事業や民泊について、一切記載がないことをもって「住宅宿泊事業を営むことを禁止する旨の定めがない」と判断することはあたわず、管理規約で「住宅宿泊事業を営むことができる」とした明確な規定がない場合は、さらに当該管理組合に「住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がない」ことを確認した上で、そのことを証明する「誓約書」を提出しなければなりません。
 また、分譲マンション等の共同住宅の場合、住宅宿泊事業に恭する面積が一定の割合を超える場合に、届け出する部屋にかかわらず建物全体を共同住宅ではなく、宿泊施設基準に合わせた消防設備を設置することが義務付けられます。
 すなわち、一部の住宅宿泊事業者の為に全ての区分所有者等に消防設備設置の負担を義務付けることになるため、実質、消防法令基準を満たすことがかなわず、届け出が不可能な状況になります。
 なお、この住宅宿泊事業に供する面積の一定割合に明確な基準はなく、管轄の消防署に確認する必要がありますが、全体面積の約10%を超えた時点で該当すると考えられています。
 さらに、分譲マンション等の場合は、現実問題として、民泊をする部屋と他の区分所有者等の部屋が上下左右に隣接しています。緩んだ旅行気分の宿泊者に対して、隣接する部屋は生活の本拠地であり、旅行気分で騒がれると、区分所有者等にとって、迷惑行為以外の何ものでもありません。
 また、本来のオートロック機能なども無力化し、不安を覚える区分所有者等も多くなり、ゴミ出し等のルールが当該宿泊者に守られることは期待すべくもなく、共用スペースにゴミやタバコのポイ捨て等も懸念されるため、共同住宅での民泊事業の実施にあたっては、宿泊者に対する厳格な注意喚起が要求される為、事業者にとっては極めてハードルの高いものとなっています。
以上、「住宅宿泊事業法の仕組みと民泊の法律問題解決マニュアル」三修社刊より抜粋加筆。


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