故意・過失なくても区分所有者に損害賠償責任 判例タイムズ№1386

投稿日:2013年05月28日 作成者:福井英樹 (1173 ヒット)

自らに故意・過失がなくても、区分所有者は賃借人らの故意・過失による義務違反行為で生じた損害賠償を負う一賃借人の同居人が行った「盗電行為」の発覚で、無断で引きこんでいた配線の撤去など共用部分の原状回復を行った管理組合が、原状回復にかかった費用の支払いを区分所有者に求めていた事件で、宮崎地裁は昨年11月、「故意・過失がない」などとして区分所有者の損害賠償責任を認めなかった1審判決を変更し、区分所有者に原状回復費用101,409円の支払いを命じる判決を言い渡した。同判決は確定している。

島岡裁判長はまず、管理規約に管理共用物の使用等について区分所有者の共同の利益に反する行為を禁じる旨の規定がある場合、区分所有者は管理組合に対して、この規定に基づく遵守義務を負い、一方、管理組合は区分所有者に規約を遵守させ、違反行為がある場合は是正を求めることができる、と判示。さらに同裁判長は、債務不履行による損害賠償の対象になる「『債務者の責めに帰すべき事由』で債務の履行ができない時」には、区分所有者の故意・過失に加え、賃借人やその同居人といった「履行補助者」の故意・過失も含まれる、と判断。区分所有者自らに故意・過失がなくても、賃借人らの故意・過失で生じた損害賠償責任を負う、と結論付けた。なお、管理組合が求めた当該弁護士費用については、「債務不履行とは因果関係がある損害と認めることはできない」と退けている。


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